忍者ブログ
ここではM2PLANTスタッフの「商品知識」や「豆知識」を始め、色々な情報を発信します。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

最近まで寒いと思っていたら、一気に気温が上昇し昼間になると上着を着ていたら暑いぐらいです。
M2PLANTでは今月から春夏物のスーツ生地をメインで展開しています。その中で夏の定番素材『モヘア』も一緒に入荷しました。

モヘアとはアンゴラ山羊の獣毛繊維のことで、高温多湿の日本ではうってつけの素材なのです。
肌触りはサラッとしていて、素材にハリ、コシ、光沢があるのが特徴です。
ちなみに名前の由来はトルコ語のMukhyarからきていて『最高の毛』を意味するようです。

意外と知られていませんが、モヘアは希少価値の高い高級素材なのです。
スーツ地に多く使われるモヘアはキッドモヘア(生後三ヶ月までの仔山羊)と言い、アンドラ山羊一頭あたり2~3㎏程度しか採取できない大変高価なものなのです。

一般的には上質なウールとの混紡で、5~10%ほど混入していることが多いです。逆にいうとモヘアが多いほど高級な生地といえるのです。
中でも有名なのが、1957年に英国生地ブランド『ドーメル』が開発した『トニック』という商品があります。
なんとモヘア55%という驚異的な混紡率です。

当時は生地屋で見つけたらテーラー達がこぞって買い込んだそうです。
いくらするかはわかりませんが、相当高価な品物だったようです。

良いことばかりのモヘヤ素材ですが、難点を上げるとすればウールと比べて硬い(ハリやコシがある)ので、人によってはチクチク感じることや、パンツのセンターラインの折り目を加工するシロセット加工をすることが出来ないということです。

夏には最高の素材というのは間違いありませんので、モヘア(MOHAIR)の文字を見かけたら、一度手にとって確かめてください。
気にいってもらえると思いますよ。


メンズ&レディース オーダースーツ専門店 M2PLANT
PR

高級セーターと言えばカシミヤ!と誰もが口にすると思います。
このカシミヤはインド・パキスタン国境にひろがるカシミール地方の高原に生息する、カシミヤ山羊に由来します。

厳しい気候のなかを生き抜くため外側に太い毛、内側に細い毛があり、以前に紹介したビキューナ同様、内側の産毛のみを梳き取ります。
細くて柔らかな毛質が特徴で、なめらかな優しい肌ざわりと深い光沢があり、何より軽いです。

高いものではセーターで30万以上する物も・・・
ちなみに某CMでカシミヤセーター¥4,999~というものもあり、ピンからキリまであるといえるでしょう。
ここまで差があるのはなぜか・・・?

このカシミヤには質を区分するために、1等級から10等級までの等級があります。さらに、ブラウン、グレー、ホワイトの3色があり、一番値段の高いのはどんな色にも染めることができるホワイトカシミヤです。つまり等級と色、作り方等で価格が変わってくるようです。

大雑把に説明しますと、原毛が細ければ細いほど、しなやかな光沢がでて、白ければグレーの「原毛」と比べて漂白剤の必要がなく、痛みが少なくてすみ、染色も綺麗にできます。毛の長さが短いと、紡績中にほどけて糸が切れたり、抜け毛で毛玉が出来やすいという訳です。

高い物と安い物の違いは素人目には、はっきり言ってなかなか難しいです。

甘めの撚りをかけカシミヤ本来の風合いをはじめから味わえるものと、英国ブランドなどに多い、強い撚りをかけ着こんでいくうちに風合いが楽しめるというものとあります。この2点は素材が全く同じだとしても、作り方の違いで肌触りも別物です。

しかし、逆にいうと安い物でもカシミヤ100%であれば、十分に楽しめるということです。

ご自分で肌触りを確認してもらって、価格と質のバランスを考え、良いと思えば安い物でも大丈夫だと思います。
ただ、カシミヤ100%を偽っているものもありますので、安すぎるものには注意が必要です。
大変デリケートな素材ですが、1000年以上前から扱われてきた高級品なので1着持っていると手放せなくなると思いまよ。


メンズ&レディース オーダースーツ専門店 M2PLANT

この店舗に入って間もなくの頃、秋冬物のスーツを買おうと店内にある生地を物色していたのですが、今までにはないようなスーツ生地が目に飛び込んできました。独特の風合い、独特の色柄、ズッシリとくる重量感、すぐさま購入を決意しました。

60年~70年代と思われるイギリス名門のドーメルの生地で、いわゆる『Vintage Fabric』(ヴィンテージ・ファブリック)という物です。
普段からヴィンテージウェアを好む私には衝撃的な1着となりました。

この60年~70年代の英国『Vintage Fabric』はシルクやカシミヤなどの高級素材を除き、価格のバランスから考えれば風合いや質感などは最高だといわれています。

当時の生地メーカーは、現在のような「軽くて薄い生地が高級」というのと反して、「高級品とは打ち込みの良いもの」と考え、三杢(みつもく=三本の糸を一本に撚ったもの 3PLY)や四杢(4PLY)などの生地が高級とされていました。
「打ち込み」というのは1メートルに対する糸数で、「打ち込みが良い」ということはそれだけ糸数が多く、結果として重量感のある生地になるわけです。風合いにしても抜群で、当時の織機は木製のものが使われており、性能の問題で生地を織る速度は遅くなります。結果として繊維の風合いを損ねることなく良い生地が織りあがります。高速織機に変わってからは、繊維への負担が大きくなり本来の風合いを損ねるというわけです。

ただ良いことばかりではなく、「重いから肩が凝る」「夏は暑い」「仕事では使えない色柄」
今のスーツを着慣れているとこういった不満の声も聞こえてきます。

エルメネジルド・ゼニアやロロ・ピアーナも良いですが、私は断然英国製の『Vintage Fabric』をオススメします。何より丈夫なので、はじめに買った1着も現役で活躍してくれています。

全体からみれば少量ですが、M2PLANTの店舗にも在庫はございます。

雰囲気最高です。ただ選ぶ時は慎重にお願いします。



メンズ&レディース オーダースーツ専門店 M2PLANT

近頃、婦人物のスーツでストレッチ素材のスーツをよく見かけます。
伸縮性が高くて動きやすい素材で、通常のサイズよりだいぶ小さいはずなんですが、ぴったりフィットして身体のラインを美しく見せられるのが特徴です。

ストレッチ素材には大きく分けて2種類あります。

1つはウールやコットンなどの繊維を強く撚り、伸縮性をもたすというもの。繊維の量が多くなるため、重たいということと、手間がかかる分高価になります。そのかわり天然繊維なので、肌触りは非常に良いということがあげられます。

もう1つはポリウレタンを混紡させる方法です。
ポリウレタンは、簡単にいうとゴムみたいな物で、伸縮性や弾力性が非常に高いです。
ポリウレタンに使われる製品は非常に多く、スポーツウェアやソックス、人工皮革、断熱材、クッション材などがあります。そのうえ安価でとても扱いやすい素材です。

現在販売されているストレッチ素材のスーツ(衣類)はだいたい後者のポリウレタンです。
やはり良いことばかりでなく、注意すべき点も多数あります。

熱に弱くて耐久性も低く、普通に着ているうちに、芯になってるポリウレタンがぷつん、ぷつんと切れていき、その結果膝のあたりが出てくるのです。
さらに、この状態でアイロンやクリーニングをかければ、高温でもとにもどらなくなる可能性があります。
あと、シミが付いたらクリーニング店に持って行きますが、素材の形態上、シミを抜くことも難しく、シミを抜くはずが繊維の色を抜いてしまうというケースも少なくないようです。

糸の製造後、大体3年を経過すると劣化が進むと言われています。決して商品を購入してから3年という訳ではありませんので、安いからといって”在庫処分”などは気を付けたほうがいいかも知れませんね。



メンズ&レディース オーダースーツ専門店 M2PLANT

様々な合成繊維が開発されていながら、未だに愛され親しみ続けられているウール。
天然繊維だからこそ持ち得たその特徴は、現代の技術を駆使しても作り出すことはできません。
その魅力的な性質には矛盾が多く、それがまさにウールの特徴なのです。

1.冬は暖かいのに、夏は涼しい?ウール1本1本の繊維をよく見ると、クリンプという縮れがあります。この縮れた繊維が複雑に絡み合い、空気層を作っています。空気は熱を伝える力が非常に小さく、断熱性はもっとも高いといわれています。そのため冬は暖かく、夏は涼しく過ごすことができます。
昼夜の温度差が極端な砂漠で生活する人々が、1枚の大きなウールを羽織っているのは、こうした特徴があるからです。

2. 水ははじくけど、湿気を吸い取る?
ウールの繊維は、中央の皮質部と呼ばれるところがスポンジ状になっており、湿気はこの部分が吸収します。また、繊維の表面はウロコ状のもので覆われており、これが水をはじくわけです。
少量の水なら繊維に染み込まず水滴になり、その同じ繊維がスーツ1着で、およそコップ1杯分(180cc)の水分を吸収するといわれています。

3.燃えにくい!ウールの主成分は髪の毛や爪と同じタンパク質なので意外と燃えにくく、合成繊維のように燃え続けることはなく、一定時間で自然に鎮火します。
ホテル内のカーペットやカーテンなどにウールが多く使われているのはそのためです。

4.伸びたり縮んだり!ウールの繊維を構成する分子は、強力な鎖で繋がっていて、繊維を引っぱると30%も伸び、離すと元の長さに戻ります。
スーツもハンガーに掛けておくと、シワはウールの弾力性により元に戻ります。綿や合成繊維では起こらない不思議な特徴です。

5.汚れにくい!繊維の表面の外側には、人間の髪でいうキューティクルとい薄い膜で覆われています。これが水溶性の汚れをはじき、泥水がかかっても乾いてから払えばシミになりません。
濡れタオルや中性洗剤を使えば、コーヒーシミや油シミもある程度は落とすことはできます。

6.染めやすく、色あせしにくい?ウールは吸湿性が高いので、染料を繊維の中に十分吸収するため、深みのある色合いに染め上がります。
他の繊維と違い、染料の分子結合が強いので、一度染めると色落ちしにくく、 美しい色合いを保つことが出来ます。

標高3000m以上の山岳地帯に棲息している羊は、過酷な自然条件の中で生き抜くため、一見矛盾した性質を備えていったわけです。
ウールは人工では作り出せない、自然が生み出したパーフェクト素材です。
そんな事を考えながらスーツを見ると、「たまには手入れでもしようかな」と思ったりしませんか?


メンズ&レディース オーダースーツ専門店 M2PLANT
カレンダー
01 2025/02 03
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28
ブログ内検索
最新コメント
感謝
[05/26 M2サポーター]
ブランド名
[05/19 M2サポーター]
無題
[04/08 森]
店じまい、ちょっと早すぎ
[06/28 松崎@受け取り]
先日はお世話になりました
[03/14 セレサポ家族]
寄せ鍋ブログのQR
カウンター
アクセス解析
プロフィール
HN:
エムツープラント
自己紹介:
安心の完全国内自社工場縫製 メンズ・レディースのオーダースーツ専門店
M2 PLANT と オーダースーツかつだ

Copyright c [ M2PLANTの寄せ鍋ブログν ] All rights reserved.
Special Template : 忍者ブログ de テンプレート and ブログアクセスアップ
Special Thanks : 忍者ブログ
Commercial message : [PR]