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この店舗に入って間もなくの頃、秋冬物のスーツを買おうと店内にある生地を物色していたのですが、今までにはないようなスーツ生地が目に飛び込んできました。独特の風合い、独特の色柄、ズッシリとくる重量感、すぐさま購入を決意しました。

60年~70年代と思われるイギリス名門のドーメルの生地で、いわゆる『Vintage Fabric』(ヴィンテージ・ファブリック)という物です。
普段からヴィンテージウェアを好む私には衝撃的な1着となりました。

この60年~70年代の英国『Vintage Fabric』はシルクやカシミヤなどの高級素材を除き、価格のバランスから考えれば風合いや質感などは最高だといわれています。

当時の生地メーカーは、現在のような「軽くて薄い生地が高級」というのと反して、「高級品とは打ち込みの良いもの」と考え、三杢(みつもく=三本の糸を一本に撚ったもの 3PLY)や四杢(4PLY)などの生地が高級とされていました。
「打ち込み」というのは1メートルに対する糸数で、「打ち込みが良い」ということはそれだけ糸数が多く、結果として重量感のある生地になるわけです。風合いにしても抜群で、当時の織機は木製のものが使われており、性能の問題で生地を織る速度は遅くなります。結果として繊維の風合いを損ねることなく良い生地が織りあがります。高速織機に変わってからは、繊維への負担が大きくなり本来の風合いを損ねるというわけです。

ただ良いことばかりではなく、「重いから肩が凝る」「夏は暑い」「仕事では使えない色柄」
今のスーツを着慣れているとこういった不満の声も聞こえてきます。

エルメネジルド・ゼニアやロロ・ピアーナも良いですが、私は断然英国製の『Vintage Fabric』をオススメします。何より丈夫なので、はじめに買った1着も現役で活躍してくれています。

全体からみれば少量ですが、M2PLANTの店舗にも在庫はございます。

雰囲気最高です。ただ選ぶ時は慎重にお願いします。



メンズ&レディース オーダースーツ専門店 M2PLANT
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