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春夏のシーズンになると、増えてくる問い合わせが「シミ」。
最近はライトカラーが人気なので、結構多くなっていますが、実は「シミ」のように見えている大半は「ムラ」なのです。
そしてこの「ムラ」は決して素材が悪いわけではありません。

では、なぜ「ムラ」ができるのでしょうか?その答えは糸の染色にあります。

羊の原毛は洗ったり整えたりと手間を掛け、「羊毛トップ」というフワフワした綿のような状態になります。
この「羊毛トップ」に染色することをトップ染めといいます。

トップ染めには大きく分けて「無地糸」「霜降糸」「杢糸」があります。

さて、出てきました「霜降」という言葉。
「霜降り」というのは、文字通り霜が降りたような白い斑点があることです。
真っ先にイメージするのはお肉の霜降りではないでしょうか。
無地素材が分かり易いのですが、チャコールグレイ無地などをよく見ると、真無地ではなく白が混じっていることがあります。
これは「霜降糸」を使用して織られた生地で発生します。

simofuri.jpg霜降糸は2色以上の染色した「羊毛トップ」を混紡して紡いで作られる糸です。
そして混紡する際、染色された「羊毛トップ」は均一に混ざっていません。

例えばチャコールグレイの場合、糸には黒が多い部分、白が多い部分、ちゃんと混ざっている部分などがあり、白が目立つ部分が集まると、黒っぽい中に白いムラのような状態ができます。これが「霜降ムラ」です。

霜降糸の多くは濃い色に染色した「羊毛トップ」と淡い色に染色した「羊毛トップ」を使用して紡いでいくので、糸そのものにムラがあるわけです。
この糸を使用して織られた生地は、一見すると単色の無地に見えるのですが、2色使った糸で織られているので、単色の糸で織られた生地より深みが出ます。

シミに見えるムラは霜降だけではないですし、もちろん全てのムラがOKというわけでもありません。

個人的に霜降りの無地は好きなので、なんの違和感もないのですが、ムラの部分が気になりだしたらシミに見えてくるようです。
無地やライトカラーの素材をお選びになるときの参考にして下さい。

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