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「街を歩いていて、人からあまりじろじろと見られているときは、君の服装は凝りすぎているのだ」
これはブランメルが残した寸言の一つです。
今回はダンディズムの第一人者として有名なジョージ・ブライアン・ブランメル、またの名をボー・ブランメル(洒落者ブランメル)について紹介しようと思います。
素っ気ない口調、冷静で人を見下げたような態度と大胆な毒舌。何ともストイックな人物で、摂政時代のイギリスでは大変人気があったのです。
偉大なる詩人ジョージ・ゴードン・バイロンより
『ナポレオンになるより、ブランメルになりたい』と言わしめたほどです。
さて、この寸言の意味ですが、ある日のこと街に大層めかしこんだ洒落者が歩いて来たのです。整った顔立ちに化粧をし、あざやかな色柄、大胆なカット、奇抜なスタイル、香水の香り。通りすがりの人々はみないっせいに彼の姿に注目し、振り返ってまで彼を見ようとしました。
当時の風潮は華美と奇抜さを競い合っていたこともあり、街のみなが服装に気を遣い斬新なファッションを追求していたのです。
しかし、このことを聞いたブランメルの返答が寸言へと結びつくのですが、まわりの意見とは正反対のものでした。
ジャケット、パンツ、髪型、アクセサリーなど主張しすぎてはダメなのです。
均一に、そして非の打ちどころのない身だしなみを究極と考えられ一見すると地味なくらいでした。
ブランメルは必ずネクタイの代わりにリンネル(リネン)を首に巻いていたのですが、一度巻いてみて気に入らなければ、新しいリンネルを何度も巻き直し部屋中が足場の無くなるほどだったそうで、服装を整えるのに毎日2時間はかけたといいます。
そして化粧や香水も付けず、当時の中世的な服装は正反対のものなのです。
控えめなデザイン、色合いを取り入れたことで誰よりも目立つ存在になったのです。
シンプルなスタイルを徹底的に拘る。
本当のお洒落とはこういうことを言うのかもしれませんね。