忍者ブログ
ここではM2PLANTスタッフの「商品知識」や「豆知識」を始め、色々な情報を発信します。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「紺ブレで作りたいんだけど…」
店頭でよく耳にする言葉ですが、もちろん紺色のブレザーの事です。
ブレザー=制服というイメージを持っている方も多いと思いますが、それはジャケットがブレザーと呼ばれるようになった事に由来します。

なぜジャケットがブレザーと呼ばれるのか、なぜ紺色なのか…
実はシングルとダブルで起源が異なります。

1837年、ヴィクトリア女王の戴冠式の際、大英帝国の軍艦ブレザー号の艦長が乗組員の服装を整えようと、急場しのぎに銅釦を付けたネイビーブルーのダブルジャケットを乗組員に着用させました。
これがカッコ良かったので、他の軍艦もユニフォームとして採用し、ダブルのブレザーが生まれました。

一方、シングルのブレザーは、
ケンブリッジ大学とオックスフォード大学の定期的に行われるレガッタ(ボートレース)で、ケンブリッジ大学の選手全員が真紅のシングルジャケットを羽織り入場しました。
Blazer(炎)のようなジャケットをユニフォームとしたというのが、シングルのブレザーの発祥と言われています。

ブレザーは、時代によってさまざまなスタイルが生み出され、中でも聞き覚えのあるスタイルにアメトラ(アメリカン・トラディショラル)があります。
1918年に「ブルックス・ブラザーズ」が創業100年目に生み出したスタイルで、3釦の中1つ掛けの段返り、前身頃のフロントダーツ無し、フックベントのボックス型スーツです。
これが「Ⅰ型」「ブルックス型」と言われます。


もともと制服色の強いブレザーも、アメトラで開花し、更にカジュアルなコーディネイトに採用され、ONにもOFFにも対応する最強アイテムに進化しました。

次回はブレザーの基本スタイルとも言えるアメトラなどを詳しく紹介しようと思います。 メンズ&レディース オーダースーツ専門店 M2PLANT
PR
礼服編の最後を締めくくるのは、もっともポピュラーな「略礼服」です。
昼の準礼装デレクターズスーツをモデルにした日本オリジナルの礼装ですが、見た目は単なるブラックスーツです。

礼装に関する質問で一番多いのが「略礼服の仕様」です。
略礼服は「シングルスーツ」か「ダブルスーツ」か?
結論から言うとどちらでもOKです。ダブルスーツのイメージが強いですが、デレクターズスーツにダブルブレステッドが多かったこと、略礼服が広まった1960-70年代の流行がクライドルックと呼ばれるダブルスーツのギャングスタイルだったこと、などの理由で「略礼服=ダブルスーツ」のイメージが定着したものと思われます。
シングルスーツに比べダブルスーツは「威厳」があるので、より礼装っぽい雰囲気はありますが、「ダブルスーツが略礼装の基本」という決まりはありません。

ただ、礼装なのでデザインでいくつかのポイントはあります。
まずはベント。「ベント編」で紹介したように、ベントはもともと乗馬用、またはサーベルを携帯するために作られたデザインなので、礼装では「ノーベンツ」が原則です。
次にステッチ。現在ではデザインになっていますが、衿に入れるステッチやD管留めは「補強用」だったので、これも礼装では不向きです。
そしてパンツの裾ですが、これはシングルが標準。ダブル裾は泥よけのカントリースタイルなので、これも礼装とは掛け離れています。


デザインもシングルの1釦・2釦・3釦やダブルスーツの4釦1掛け・4釦2掛け・6釦1掛け・6釦2掛けなど、特に規定はありません。が、それは「本来なら…」という前置き付きです。
礼装もビジネススーツも「人の目」があります。近年ようやくシングルの略礼服が出回るようになりましたが、それまでは「略礼服=ダブルスーツ」でした。起源はともかく、この風習が定着しているのは事実です。なので、迂闊にこの風習を破ってしまうと、場合によっては「失礼」と受け取られかねないので注意が必要です。


昼夜、慶弔の区別が無い略礼服は、気軽さ手軽さがあるので、やっぱり1着は持っていたいものです。そして略礼服は「黒さ」が命です。周囲の人も全て黒一色なので、その濃さが顕著に表れてしまいます。単体では真っ黒に見えても、並ぶとグレーに見えたりするので、たまにしか着ない略礼服くらいは「見栄」を張ってみてはいかがでしょうか。

メンズ&レディース オーダースーツ専門店 M2PLANT
前回ご紹介したように、礼服には「正礼装」「準礼装」「略礼装」があります。

正礼装のモーニングコートは、あまり一般的ではないですが、総理大臣の親任式や、叙勲などで皇居に参内するときに着用しています。また、燕尾服(イブニングコート)はオーケストラに指揮者や演奏者、格式のある結婚式くらいでしょうか。ただ、結婚式も新郎と親族しか正礼装はありませんし、新郎が準礼装なら親族もそれにならうものなので、どちらにせよ見る機会も着る機会も少ない礼服です。
モーニングコートのコーディネイトは、次のような取り決めがあり、正礼装なだけに省略は許されていません。

・ダブルカフスでウイングカラーのシャツ
・シルバーグレイのアスコットタイ(アスコットスカーフではありません)
・上着と共地かシルバーグレーのベスト(ウエストコート)
・白蝶貝か真珠のカフス
・コールパンツ
・ポケットチーフ(スリーピーク)
・靴は黒のストレートチップ


モーニングコートや燕尾服よりはるかに馴染みのある「タキシード」。昼の準礼装デレクターズスーツよりもメジャーですが、本来は燕尾服の略式版なので夜の準礼装です。
ただ、そんなしきたりも随分と変わって、今では昼間からタキシードで通用するので、着る機会は多いと思います。燕尾服が白の蝶ネクタイをするため「ホワイト・タイ」と呼ばれるのに対し、タキシードは黒の蝶ネクタイをするので「ブラック・タイ」とも言います。
パーティーなどでのドレスコード(服装の指定)に、「ブラック・タイ」と書いてあれば「タキシードを着用して下さい」ということで、黒いネクタイのことではありません。
タキシードのコーディネイトは様々で、上手に着崩していると「粋」なのですが、失敗すると単に失礼にあたるので、一般的なコーディネイトをご紹介します。

・ダブルカフスでウイングカラー、胸ヒダのシャツ
・黒の蝶ネクタイ
・黒無地のカマーバンド
・黒蝶貝かブラックオニキスのカフス
・パンツは側章入り
・サスペンダー(ベルトは使用しません)
・ポケットチーフ(スリーピーク)
・靴は黒のスリッポン(革かエナメル素材)


タキシードはカッコイイです。蝶ネクタイが照れくさいなら、カマーバンドをベストに替えて、アスコットタイをすると良い感じになります。ラペルもタキシードの定番「ショールカラー(へちま衿)」を「ピークドラペル」にするだけで雰囲気が変わります。
さすがに弔事にタキシードは無理ですが、お洒落と格式を両立したタキシードはお勧めです!

略礼装については次回、ご紹介します・・・

メンズ&レディース オーダースーツ専門店 M2PLANT
今回は知っているようで知らない「礼服」についてです。
店舗で礼服を注文されるお客様は、ほとんどが略礼服です。
そもそも礼服には正礼装、準礼装、略礼装とありTPOによって着分けするものです

最も格式高い装いは正礼装で、昼はモーニングコート、夜は燕尾服(テールコート)を着用します。
この正礼装、その発祥は大英帝国の黄金期、ヴィクトリア朝で、産業や文化が花開いた一方、威儀が重視されていった時代です。この時代に「紳士のマナーとして服装規定」の遵守が義務づけられました。フロックコートと燕尾服が礼装化され、その後フロックコートに代わってモーニングコートが昼の正礼装になりました。
モーニングコートは「カット・アウェイ・フロックコート」の別名を持っているように、フロックコートの前裾をカットした形になっています。もともとは乗馬用にフロックコートを変形させ、朝の散歩に使用したものでした。

f128c159jpeg その後、ビジネス界で「黒のジャケットにコールパンツ」という組み合わせが流行し、ディレクターズスーツ(重役スーツ)として定着し、昼の準礼装として公認されました。
ディレクターズスーツは燕尾服の丈をカットしたラウンジジャケットが原型で、ヴィクトリア女王の長男、エドワード7世がフロックコートの代わりに黒のラウンジジャケットを着用したのが起源と言われています。
当時、晩餐会には燕尾服を着ましたが、ラウンジでくつろぐ時に燕尾服の尾っぽが邪魔になり、部屋着としてラウンジジャケットが生まれたわけです。
タキシードもディレクターズスーツと同様に、ラウンジジャケットをルーツとしています。アメリカの煙草王ピエール・ロリラード4世が主催するパーティーで、その息子であるグリスウォルド・ロリラードが、ラウンジジャケットに側章付きの黒いスラックスという出で立ちで参加したことが話題を呼び、タキシードの原型となりました。
ディレクターズスーツもタキシードも元は掟破りのスタイルから生まれ、正礼装の略式バージョンなので、幅広い用途で着用できます。

そして日本独自の礼装、略礼服はディレクターズスーツをモデルに作られたものです。当然のことですが、日本独自の正装なので世界では通用しません。
ただ、もっともポピュラーな礼装も略礼服です。
モデルとなったディレクターズスーツがダブルブレステッドが多いため、略礼服もダブルスーツが多いのですが、「正装はダブルスーツが基本」というのは誤りです。

今回は小難しくなってしまいましたが、正礼装・準礼装・略礼装の格付けは、その歴史にあったわけです。現在のビジネススーツも、これらの礼装をルーツにしている正装です。単なる仕事着という認識が強いですが、実は歴史あるスタイルなのです。

メンズ&レディース オーダースーツ専門店 M2PLANT
カレンダー
06 2025/07 08
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
ブログ内検索
最新コメント
感謝
[05/26 M2サポーター]
ブランド名
[05/19 M2サポーター]
無題
[04/08 森]
店じまい、ちょっと早すぎ
[06/28 松崎@受け取り]
先日はお世話になりました
[03/14 セレサポ家族]
寄せ鍋ブログのQR
カウンター
アクセス解析
プロフィール
HN:
エムツープラント
自己紹介:
安心の完全国内自社工場縫製 メンズ・レディースのオーダースーツ専門店
M2 PLANT と オーダースーツかつだ

Copyright c [ M2PLANTの寄せ鍋ブログν ] All rights reserved.
Special Template : 忍者ブログ de テンプレート and ブログアクセスアップ
Special Thanks : 忍者ブログ
Commercial message : [PR]