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紺ブレの代表的なスタイルはトラッドです。
「トラッド」はトラディショナル(伝統的な)の略で、「ブリティッシュトラッド」が代表的なスタイルになります。
肩巾がひろく、体に沿うように絞られたウエスト、ゆったりとした2タックのパンツで、スーツの原型とも言えるモデルです。
もう一方のなじみ深いトラッドが、アメトラ(アメリカントラッド)ですが、1918年に「ブルックス・ブラザーズ」が生み出した「Ⅰ型」は、現在に至るまでスタイルもほぼ変わらず愛され続けています。
また、アメトラを原型にしたモデルも多く、アメトラと呼ぶべきかどうかわからない商品も多いです。
という訳で、基本的なスタイルを説明しますと…

紺ブレザー
・生地はフラノもしくはカシミヤ
・メタル釦
・3つ釦の段返りで中1つ掛け
・フックベント
・フロントダーツは無しで、ずん胴型のシルエット
・ナチュラルショルダー
・ラペルに入れるミシンステッチはダブル
・ポケットをアウト(パッチ)ポケットにするのも可
・胸ポケットにエンブレム(ワッペン)を付けるのも可


パンツ
・生地はこちらもフラノが基本となり、色はチャコールグレーか淡色グレー。もしくはチノパン
・ノータック
・細身のシルエット(パイプドステム)
・裾はダブルで巾3.5~4㎝
・時計ポケット


シャツ
・オックスフォードのボタンダウン
・背タックはセンターボックスで、ハンガーループ有り
・色はとくに決まりはありませんが、白か青が無難です。

・貝釦

ネクタイ
・柄はレジメンタルタイが基本。ペーズリー、小紋柄も可



・コインローファー(ペニーローファー)が基本となり、プレーントゥ、ウィングチップはもちろん、デッキシューズなども可


見た目はシンプルなコーディネートになりますので、サイズが合ってなかったり、安価すぎるアイテムだと、野暮ったく見えたりするので、ひとつひとつのアイテムに細心の注意が必要です。
これからアメトラをはじめられる方に、参考になればと思います。

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「紺ブレで作りたいんだけど…」
店頭でよく耳にする言葉ですが、もちろん紺色のブレザーの事です。
ブレザー=制服というイメージを持っている方も多いと思いますが、それはジャケットがブレザーと呼ばれるようになった事に由来します。

なぜジャケットがブレザーと呼ばれるのか、なぜ紺色なのか…
実はシングルとダブルで起源が異なります。

1837年、ヴィクトリア女王の戴冠式の際、大英帝国の軍艦ブレザー号の艦長が乗組員の服装を整えようと、急場しのぎに銅釦を付けたネイビーブルーのダブルジャケットを乗組員に着用させました。
これがカッコ良かったので、他の軍艦もユニフォームとして採用し、ダブルのブレザーが生まれました。

一方、シングルのブレザーは、
ケンブリッジ大学とオックスフォード大学の定期的に行われるレガッタ(ボートレース)で、ケンブリッジ大学の選手全員が真紅のシングルジャケットを羽織り入場しました。
Blazer(炎)のようなジャケットをユニフォームとしたというのが、シングルのブレザーの発祥と言われています。

ブレザーは、時代によってさまざまなスタイルが生み出され、中でも聞き覚えのあるスタイルにアメトラ(アメリカン・トラディショラル)があります。
1918年に「ブルックス・ブラザーズ」が創業100年目に生み出したスタイルで、3釦の中1つ掛けの段返り、前身頃のフロントダーツ無し、フックベントのボックス型スーツです。
これが「Ⅰ型」「ブルックス型」と言われます。


もともと制服色の強いブレザーも、アメトラで開花し、更にカジュアルなコーディネイトに採用され、ONにもOFFにも対応する最強アイテムに進化しました。

次回はブレザーの基本スタイルとも言えるアメトラなどを詳しく紹介しようと思います。 メンズ&レディース オーダースーツ専門店 M2PLANT
繊維の宝石と呼ばれる素材をご存じでしょうか?
この素材はワシントン条約で保護されるほど希少な動物、ビキューナの原毛のことです。

ラクダ類、ラマ属の一種で、南アンデス山脈の6,000~7,500mの高地に棲息していて、雨の降ることのないこの地域では植物さえも育ちにくいほど乾燥し、冷たい風の 吹き止まぬ極寒の地です。夏でも平均気温は8度を超えることがありません。この厳しい気候から身を守るためビキューナは 細くて軟らかく、そして軽い体毛を身にまとっているのです。毛の太さは12~13ミクロンと天然繊維の中では一番細く、赤ちゃんの産毛にふれているような手触りと、優れた保温性を持っていることから「繊維の宝石」といわれています。

a4d7f25fjpegビキューナ1頭からとれる原毛はおよそ250g程度のため、 年間の生産量はコートの生地にして300~350着といわれています。
このビキューナのコートは高級外車が買えるほどの値がつきます。ただでさえ希少価値が高い上に、太い外毛は取り除き、デリケートな繊維のみを使用し、人間国宝級の職人が何人もかかわっています。
そのため、世界中を探しても着てる人を見つけるのが困難なくらいです。

ただ、この原毛の価格の一部は、ビキューナの種の保存にかかる費用にあてられています。つまりビキューナを着ることは、間接的に野生種の保護につながっているという訳です。

大変希少価値の高いものなので、見たことも、さわったこともないビキューナ、日本ではまだ馴染みが薄く、表記も統一されていないようでビキューナ、ビクーニャ、ビクーナ、ビキューニャなどがあるようです。
生涯で一度は出会いたいものです。


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2つ釦スーツや3つ釦スーツ、中には4つ釦スーツなど、釦の数が変わるだけでスーツの印象はがらりと変わります。

最も古いボタンの原型は、エジプト・ギリシャ・ペルシャで発掘され、これらは紀元前4000年のものといわれています。
古代人がまとった毛皮をとめた骨や角、貝や皮革、椰子の実などは、飾ったり留めたりと、現代の釦と全く同じ役割を持っていました。

スーツの付属品で唯一突起があるのは釦だけです。テーラードスタイルでさりげなく存在感を出す釦は、実用性だけでなくアクセサリーとしても解釈できます。
ただ実用性だけを考えれば、ジッパーでも問題ないという訳です。

中世ヨーロッパの宮廷服には、フロント釦だけで30個以上は使われていたといいます。この頃は装飾用として使われることが多く、素材の種類や材質、デザインによって地位を象徴していたようです。

釦はフロントだけでなく、袖にも付いています。
袖釦は飾り釦にすることが多いですが、実際に外すことができる本切羽(本開き)にすることもできます。
本切羽は手を洗う際に袖が巻くれるようにしたものです。発祥は英国でやはり乗馬にたどり着きます。
「オーダーは本切羽が当たり前」と思っている人も多いようですが、デザイン的にはセンターベントにするのと変わりありません。ただ、ワンポイントのデザインとしてはオススメです。

e9cff2fejpegこの本切羽は19世紀頃から、今と同じ機能しない袖釦に変わっていったようで、一説によると、軍服の袖で鼻水を拭く兵士に見苦しさを感じたナポレオンが、ボタンをつけて拭けないようにした、ともいわれています。
その後、「ビジネススーツに華美な装飾はいらない」ということでネリ釦が大量に生産され、装飾要素が少なくなり、現在のようなスーツ生地と同系色の釦が付くことが多くなりました。

釦は色や形状、素材でスーツ全体のイメージを左右する重要なポイントです。
天然物なので同じ色柄は揃いませんが、本水牛釦は存在感があってスーツ全体が引き締まります。
この次はぜひぜひ、本水牛釦をご指名下さい。

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礼服編の最後を締めくくるのは、もっともポピュラーな「略礼服」です。
昼の準礼装デレクターズスーツをモデルにした日本オリジナルの礼装ですが、見た目は単なるブラックスーツです。

礼装に関する質問で一番多いのが「略礼服の仕様」です。
略礼服は「シングルスーツ」か「ダブルスーツ」か?
結論から言うとどちらでもOKです。ダブルスーツのイメージが強いですが、デレクターズスーツにダブルブレステッドが多かったこと、略礼服が広まった1960-70年代の流行がクライドルックと呼ばれるダブルスーツのギャングスタイルだったこと、などの理由で「略礼服=ダブルスーツ」のイメージが定着したものと思われます。
シングルスーツに比べダブルスーツは「威厳」があるので、より礼装っぽい雰囲気はありますが、「ダブルスーツが略礼装の基本」という決まりはありません。

ただ、礼装なのでデザインでいくつかのポイントはあります。
まずはベント。「ベント編」で紹介したように、ベントはもともと乗馬用、またはサーベルを携帯するために作られたデザインなので、礼装では「ノーベンツ」が原則です。
次にステッチ。現在ではデザインになっていますが、衿に入れるステッチやD管留めは「補強用」だったので、これも礼装では不向きです。
そしてパンツの裾ですが、これはシングルが標準。ダブル裾は泥よけのカントリースタイルなので、これも礼装とは掛け離れています。


デザインもシングルの1釦・2釦・3釦やダブルスーツの4釦1掛け・4釦2掛け・6釦1掛け・6釦2掛けなど、特に規定はありません。が、それは「本来なら…」という前置き付きです。
礼装もビジネススーツも「人の目」があります。近年ようやくシングルの略礼服が出回るようになりましたが、それまでは「略礼服=ダブルスーツ」でした。起源はともかく、この風習が定着しているのは事実です。なので、迂闊にこの風習を破ってしまうと、場合によっては「失礼」と受け取られかねないので注意が必要です。


昼夜、慶弔の区別が無い略礼服は、気軽さ手軽さがあるので、やっぱり1着は持っていたいものです。そして略礼服は「黒さ」が命です。周囲の人も全て黒一色なので、その濃さが顕著に表れてしまいます。単体では真っ黒に見えても、並ぶとグレーに見えたりするので、たまにしか着ない略礼服くらいは「見栄」を張ってみてはいかがでしょうか。

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